慰謝料請求の際の弁護士報酬はいくらくらい?

誰かから身体的な、あるいは精神的な損害を受けた場合、損害の賠償として相手に慰謝料を請求することができます。慰謝料の請求に際しては、専門家である弁護士に依頼することがほとんどです。弁護士に依頼するメリットは数多くあるのですが、反面、弁護士への支払いが発生するというデメリットもあります。

どんな種類の報酬を、どのくらい支払う必要があるのか、具体的に見ていくことにしましょう。

弁護士報酬の種類とは

誰かに慰謝料を請求したい時には、弁護士に協力を依頼することになります。その弁護士にかかる費用は大きく分けて、以下の4種類です。最初に、どういった方針で請求を行えば良いか、あるいはそもそも請求が通るかどうかなどについて相談の時間が設けられますが、これに対して相談料が必要になります。

また弁護士に依頼することが決まった場合には、着手金が発生するでしょう。さらに事件が解決した後は、成功報酬という形で歩合制の報酬を払うことになります。これらに加え、弁護士が調査や交渉に使った実費や、裁判に出席した場合の日当なども請求されるのです。

これら4種類の報酬について、ひとつずつ詳しく見ていきます。

最初にかかるかもしれない相談料

不倫などで相手から受けた被害に対して、慰謝料を求めたい時には、まず弁護士に相談するというのがスタンダードなやり方です。どういった手続きで進めるのか、裁判まで行く気はあるのか、そもそも慰謝料の請求が通るのかなどについて、依頼者側の状況を聞きながら弁護士が答えてくれます。

当然、弁護士は時間を取っているわけですから、それに対して相談料の支払いが発生するのです。ひと昔前には、弁護士に相談するだけで1時間に数万円というのが相場でした。しかし司法制度改革によって弁護士の数は増えており、現在では1時間あたり数千円というのが相場と言われています。

また弁護士による競争も激化しているため、依頼に繋げようと、相談だけなら無料の法律事務所も増えているのが現状です。費用や報酬の見積もりについても、この相談の中で出してくれますので、迷ったときはまず相談無料のところに行ってみるというのが良いでしょう。

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必ずかかる着手金と、返還の可能性

相談が終わり、その弁護士に依頼することが決まったら、着手金を支払う必要があります。着手金とは、弁護士がその案件で顧客のために働きはじめる、ということに対して支払われるお金です。金額は事務所によってまちまちですが、大きく分けて着手金を定額にしている事務所と、請求額の何パーセントと定めているところがあります。

例えば不倫の慰謝料請求の案件であれば、単なる交渉の場合は着手金が10万円、調停まで持ち込むつもりであれば20万円、裁判まで行った場合は30万円というように、弁護士の関わり方によってはっきりと料金が決まっているのです。

また、パーセントで決めているところは、例えば相手に対する慰謝料の請求が500万円だとしたらその5%で25万円、という決め方になります。

慰謝料請求の着手金相場は、およそ20万円程度だと考えて良いでしょう。ちなみに着手金というのは、あくまで弁護士がその仕事を手がけることに対しての報酬ですので、途中で依頼を中止したとしても返金の義務はありません。

ただ実際には、弁護士事務所も評判を気にする部分もあり、トラブルを回避するために返金してくれるところが多いでしょう。依頼を決めて着手金を支払ったけれども、三日後に気が変わって依頼を取り消した場合などは、全額返還される可能性が高いはずです。

逆に、何年間も交渉を続けていた案件であれば、途中で依頼を中止したとしても着手金は返ってきません。依頼する時にはこの点に気をつけて、着手金を支払いましょう。

成功報酬の相場とは

弁護士の成功報酬は、本来非常に分かりにくいのですが、慰謝料に関しては計算がしやすいものとなっています。例えば慰謝料を請求する側の弁護士に関して言えば、裁判や調停の結果、300万円の慰謝料が支払われることになったとしましょう。

するとその300万円という金額が成功報酬の対象となりますので、一定のパーセンテージをかけたものが弁護士への報酬となるのです。慰謝料請求の場合は20%程度が相場と言われているため、300万円の慰謝料を勝ち取った場合には60万円前後が弁護士報酬となります。

逆の立場の場合も同様で、不倫をして訴えられている側が弁護士を雇った場合も、同じような計算方法になります。例えば相手方からの請求額が300万円で、裁判や交渉の結果、慰謝料が100万円にまで抑えられたとしましょう。

この場合、弁護士が慰謝料を200万円分節約した、と解釈できますので、この200万円に対して成功報酬がかかってきます。こちらも同じくパーセンテージは20%程度なので、200万円の20%で40万円を支払うことになるのです。

慰謝料も支払い、弁護士にも支払いが生じるため理不尽に感じるかもしれませんが、弁護士を立てなければまるまる300万円支払うことになった可能性もあります。自分が慰謝料を請求される側であっても、やはり弁護士に依頼するのがお勧めです。

ちなみに、弁護士を立てて争い、裁判で勝訴した場合には、相手方に弁護士費用の一部を請求することも可能となります。費用の全てを請求することは難しいのですが、10%程度なら認められることも多いため、裁判にまでいったケースではこちらの方も検討してみましょう。

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実費と日当も必要

裁判や調停で事件が解決したあとに、それまでにかかった実費や日当を精算して支払う必要があります。実費というのは具体的に裁判にかかった印紙代や事務手数料、調査にかかった費用、それに交通費などです。これらの実費は法律事務所によっては一律で1万円、2万円という設定をしているところもあります。

日当というのは、弁護士が裁判などに同席した場合に支払われるもので、1回あたり3万円から5万円程度が相場です。何度も出廷の必要があると費用がかさんでしまうため、この点には注意しておきましょう。また、相手方と交渉するために弁護士自身が出張した場合も、日当が支払われます。

不倫などでの慰謝料請求の場合、通常はそこまで多額の実費を必要とはしません。特に相手方との電話での交渉だけで終わる場合もあり、実費は数万円で済むことも多いでしょう。ここまでの費用の相場を計算してみると、着手金が約20万円、裁判で300万円の慰謝料を手に入れた場合はその成功報酬が60万円です。

また実費が10万円程度とすると、およそ90万円を法律事務所に支払うことになります。それでも差し引きで210万円が手に入ることになるため、多少の費用を支払ってでも依頼する価値があると言えます。もちろん、必ずしも希望通りの慰謝料を支払ってもらえるとは限らないため、どのくらいの額なら請求が通るのか、事前によく弁護士と相談しておきましょう。